目次
「セルフメンテナンス」とは?
- スポーツは適度に行うと,健康増進させるのですが,高い頻度で習慣的に行うと,そのスポーツ特有のケガにつながります.原因の一つとして,ある部分の筋が短く硬くなったり,力が入りにくくなったりすることが影響しています.そこで,ケガを予防し,更にパフォーマンスも高める運動を考案しました.それを「セルフメンテナンス」としました.
- Level 1は硬くなった体を元の柔らかさに戻るように「可動性」を意識した内容です.
- Level 2はLevel 1が簡単にできるようになる,つまり,体がある程度柔らかさを維持できる選手に限って,ケガの予防ができるように,筋肉に力が入りあらゆる関節が安定することが必要です.「筋収縮」を意識しています.
- Level 3は更に難しくしています.筋肉に力が入りにくい状況でも素早く強く反応できるように,筋肉に高い負荷をかけるように意識しています.つまり,「高負荷」です.
- 今回は,サッカーやラグビーなどのフットボール選手に多く生じる,腰痛や股関節に対するセルフメンテナンス・エクササイズのLevel 1を紹介します.
実施する前の注意
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- 現在,スポーツを行う上で大きな問題なくプレイできる方を対象としています.
- 下のビデオの動作を真似して頂き,痛みがない方が最低基準になります.この基準に満たない場合には専門家とご相談ください.
- ケガを負った後の復帰を目標としたリハビリテーションとしても,このエクササイズは有効ですが,実際には専門官の判断を仰いで実施されることを推奨します.
フットボール選手の練習前に行うセルフメンテナンス
腰・股関節編 Level 1
1.筋肉の硬さや張りを和らげる
サイド・グライド
ポイント:腰から股関節・太ももの外側付近が突っ張るように感じるとOK.骨盤を真横に押し,壁側の腕を持ち上げ過ぎると,脇腹がストレッチングされるだけになってしまうのでご注意ください.練習前に限らず,日中も時折行うと効果的です.
回数:5秒×5回
胸反らし
ポイント:肩甲骨の間が引き締まったり,胸の筋肉が突っ張るように感じるとOK.頭からお尻まで,背骨の一つ一つが順番に動くように反らすように行いましょう.
回数:10回
股割り
ポイント:お腹や内ももの筋肉に突っ張る感じがあればOK.お尻が踵に近づくように行うと,よりストレッチされます.
秒数:30秒
2.手足の運動を滑らかにする
デッドバグ
ポイント:最初は息を吐き,お腹を引き締めながら行う.徐々に慣れてくると,呼吸に関係なく,お腹の引き締めを維持する.背中が床から持ち上がらないように,伸ばした手足をコントロールしましょう.
秒数:左右10回づつ
アダクター・プルバック
ポイント:横に寝た場合,上側の脚を股関節にひきつけ,踵から足を持ち上げる.腹筋・内ももやお尻に力が入るように行いましょう.
秒数:左右10回づつ
ヒップアブダクション
ポイント:持ち上げた脚を体の後方に伸ばして持ち上げ,お尻に力が入るように行う.持ち上げた脚が体より前に出やすいため,注意しましょう.
秒数:左右10回づつ
体軸のコントロール
ポイント:片方の支持側のお腹・お尻・背中が力が入るように行うように,全身の体重を移動します.腕を後ろに動かしたり,前に動かしたりしても,姿勢が維持されるようにしましょう.
秒数:左右10回づつ
片脚デッドリフト
ポイント:支持側のお腹・お尻・背中に力を入れ,アルファベットの「T」の字ができるようにしましょう.よくあるミスとして,支持側とは逆側のお尻が持ち上がりすぎないように行いましょう.
秒数:左右10回づつ
次回はLevel 2 へ.より動作が難しくなったり,筋肉を使わないといけません.まずはLevel 1のエクササイズを完璧に行えるとやり易くなります.毎日コツコツ続けていきましょう.